自然素材・超自由設計を武器に成長を続ける注文住宅工務店
納得住宅工房株式会社 代表取締役社長 久保 淳 様
Q.起業の経緯は?
サラリーマン時代、住宅会社の営業として勤務していた。「お客様第一」の精神をもち、営業という業務範囲にこだわらず、設計、監督業も含めお客様に喜んで頂けることを必死に吸収していった。「自分が担当したお客様には幸せになってもらいたい」。その想いで仕事をしていると、気がつけば営業成績のほとんどが私の受注となっていた。しかし、当時勤めていた会社の社長と営業に対する折が合わず、退社することした。その時、「お客様の為に」と一緒に家づくりをしていた職人の方々からの後押しがあり、納得住宅工房を創業した。
Q.事業内容は?
新築住宅事業から始まった納得住宅工房は、現在、アパレル・レストラン・リフォーム・リノベーションを展開し、フランチャイズ会社(納得スタイルホーム)、設計会社(ARKデザインワークス)、断熱材(デコス富士)の会社と共に、お客様の生活に寄り添い「ワンランク上の体験」を、納得グループ全体としてクルージングできる環境を整えている。
レストラン、アパレルなど一見、住宅とは関係の無いもののように見えるが、私たちが見ているのはあくまでも”人”であるということ。家を建てたから贅沢できない、自由がきかない。そんな人生は間違っている。クルージングというのは、資金計画から始まり、お客様の一生に寄り添い、食事や着るもの、体験に至るまで豊かな人生を描くものである。
全ての事業部において、私自ら世界を歩き、交渉し、多くのものを見て、実際に良いと感じたものを適正価格でお客様へ提供している。
Q.どのような理念・想いで事業をやっているのか?
「お客様第一」の精神から始まった会社であるため、一番の想いはそこにある。「お客様の為にどうするべきか」、企業理念の根本にある課題を基に発展してきた。その結果、家具付き住宅の提供、イタリア建材の輸入、お客様との打合せスタイル、徹底したスタッフ意識など、あらゆるところに「納得住宅工房」の独自性が確立され、他に類をみない住宅会社へと発展することができた。
いろいろなお客様に出会い「お客様の為になること」にはキリがなく、今後も「会社のため」の発想ではないからこそ、新しい可能性が会社をさらに発展させることに繋がると考えている。
Q.事業面の強みは?
充実したコンテンツはもちろんのこと、お客様からの紹介の多さは他社にはない強み。現在、納得住宅工房で家を建てるお客様の6割以上が既存のお客様などからのご紹介。二世代にわたり、兄弟そろって納得住宅工房の家に住むことも珍しいことではない。お打ち合わせ中に築いてきた人間関係が紹介という形で、会社に戻ってくることは一番幸せを感じる瞬間だと思う。
Q.組織面・人材面の強みは?強みと言える企業文化は?
大手企業とは「異なるモノサシ」が最大の強み。ルール、マニュアルにないことが出来る社員、それを求める社風がある。経営理念を基に自ら考え発信し、形にしていく。そんな社員を評価する会社である。「共有」すること、積極的に参加すること。組織として、意見を評価し形作る意識が醸成されている。年齢も関係なくワクワクしながら仕事に取り組んでいる風景は、異質な企業文化と周りからは見えるだろうが、それこそ納得住宅工房に不可欠な強みとなっている。
Q.今後のビジョンは?
現状、年商40億円(住宅事業:33億円、ARK事業:2.5億円、スタイルホーム:2.5億円・デコス富士:1億円)だが、2020年に向けて、グループで年商80億円を目指している。最近の取り組みとして、リフォーム事業を2016年1月始動し、3月には「リノベ不動産」に加入し、年内には専属店舗を静岡県内に出店する予定。加えて、時を同じく新築住宅店舗も県内西部に2店舗出店する予定。
また、新たに「ブランド戦略室」立ち上げた。ここでは、Web強化とAI導入を担う。採用にも力を入れ、新たな人員とともに2020年80億を目指していく。
Q.今後の課題は?
新たなリーダーの誕生が急務。そのために、若い世代に早期からリーダーとしての教育を受けさせ、理念の一つでもある「一人一人が会社の代表であるという認識」を養ってほしい。加えて、新たに始まった「ブランド戦略室」では、ブランドイメージの構築、WEB部門の強化とは別にリーダー育成のプログラムも開始している。まずは、現リーダーと共に、与えられた課題への考え方や行動を学び、1年目、2年目問わず競わせることで、次世代のリーダーを育てていきたい。
また、お客様視点に立つと、情報が分かりにくい。納得住宅工房では、コンテンツが多い分、サイトを一見して「納得住宅工房とは」を理解することが難しい。原因同じく、社員一人ひとりの「納得住宅工房とは」にも認識の違いが出てきている。自社を明確に定義づけ、社内で認識を共有していくことが必要になってくる。今まで明確化されずにいたために、正社員でしか対応できない仕事ばかりだったが、共通認識が強くなれば、パートやアルバイトを増やすことも可能になり仕事の効率化が期待できる。
Q.外部環境変化に伴う脅威は?
若者の収入低下と人口の低下により新築住宅の需要が減ること。また、納得住宅工房で家を建てることが経済的に難しいお客様が増えてきていること。2020年に住宅に関連する法律が改変されることで、住宅業界を取り巻く環境が大きく変わり、住宅会社が淘汰・選別されていくことになると思う。その時に生き残れるよう、今こそ改革すべき時だと判断している。
Q.求める人物像は?期待する役割・成果は?
自ら考えを発信し、人が好きな人。常に学習し続ける人間は、してない人間と圧倒的な差が生まれてくる。納得住宅工房では、常にその考え方を伝達し、各々がリーダーとなるような存在になってもらうことを期待している。
営業である「コンシェルジュ」には、特に、人たらしであること、学び屋であることを求めている。努力を継続していれば、必ず結果に反映される。現在、コンシェルジュ1人につき、年間15棟をノルマにしている。当社では、コンシェルジュ一人ひとりが1000万円プレイヤーに成長できる場を提供している。1年目に実践を重ね、2年目には12棟契約するケースもある。
Q.経営幹部候補・次世代リーダーの育成をどのように行っているか?
次世代リーダーの育成としては、「共有」を大切にしている。社長という立場だから経験できる、コミュニティー・体験・考え方について、私自ら発信し、実践させている。良いのものを知ること、贅沢をすることもその一つと考え、社員に投資し、経験させることで、深みのある考えができるよう育成している。
会社概要
会社名 | 納得住宅工房株式会社 |
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事業内容 | ・注文住宅事業 ・デザイン住宅のトータル提案 ・デザインリフォーム(増改築)提案 ・オリジナル家具開発、販売 ・家具、エクステリアまでのトータルコーディネート ・不動産業務 <住宅分野以外の事業> ・飲食事業部(レストラン2店舗) ・アパレル事業部(県内3店舗 静岡セノバ店) ・全国工務店支援ネットワーク(全国40社加盟) ・オリジナルインテリアブランド「ARKMOBILE」プロデュース ・インテリア、建材の開発・輸入業務(アジア・イタリア) |
代表者名 | 久保 淳 |
代表プロフィール | 昭和43年生まれ。吉原工業高校卒業。23歳で富士ハウス(株)入社、25歳で営業リーダー。29歳に(株)コトヨ入社。31歳の時、納得住宅工房(株)設立。 |
沿革 | 平成11年 納得住宅工房有限会社として創業 平成13年 納得住宅工房株式会社となる 平成19年 ARKガーデンとしてエクステリア事業開始 平成24年 ARK MOBILE TOKYO GALLERY南青山にオープン 平成26年 納得住宅工房本社・富士店移動に伴い、複合型商業施設『LaCASA』オープン 平成27年 PortaRossa新静岡セノバ店オープン 平成28年 納得リフォームスタジオ開設 平成28年 PortaRossa広尾店オープン |
本社所在地 | 〒416-0952 静岡県富士市青葉町572 |
URL | https://www.nattoku.jp/ |