エンジニア育成に強みを持つ名古屋のITベンチャー

株式会社フリースタイル 代表取締役 青野 豪淑 様

Q.これまでどのような人生を歩んできたのか?

私が社長になりたいと強く思うようになった背景には、子供時代の家庭環境がある。私は6人兄弟の末っ子で、お金の問題で両親が毎日ケンカをしているような家庭で育った。子供の頃から、「お金がないと幸せになれない」と言う固定概念を持ち、普通の人以上に、お金がないことに対する不安があった。そこで、高校では、入学式の日にアルバイトの面接をいれるなどして、すぐに働く事を始めた。

仕事をしていく中で、普遍的に通用する能力を身に付けることに興味を持ち始め、成功している経営者の書籍を読み漁った。また70名ほどの経営者に会いに行き、成功するためには、人脈、コミュニケーション力、根性、達成能力が必要であると学んだ。また、ある方から、営業マンを経験し、コミュニケーション能力を鍛えるべきというアドバイスをもらった。営業マンを始めると、22歳の若さで、月収で100万、200万円と稼ぐことができるようになった。

順調に結果がだせるようになったものの、ある時、投資話にだまされて26歳で4000万円の借金を負った。膨大な借金を背負い、自殺を本気で考えたこともある。しかしながら、いざ自殺する寸前に、今までは、自分のためにお金を追っていたのだから、これからは自らの幸せは求めず、全ての時間を世のため・人のために使っていけば良いのではないかと、ふと頭をよぎった。「死ぬまで地獄を見続けたとしても、今まで行ってきた罰が下されているのだから当たり前。それを浴び続けながら、世のため・人のために生きて行こう」という意志を固めることができた。

Q.そこから、なぜ起業したのか?

当社は、「世のため・人のため」という理念の下に立ち上がった会社だ。ヤンキーや引きこもりなど、就職できない若者達の人生相談をしながら、就労支援をしていった。だが、どうしても問題を起こしクビになって戻ってくる子もいた。そんな彼らが「青野さんが会社を立ち上げれば、自分たちをクビにはしませんよね」と申し出てきた。それがきっかけとなり、「フリースタイル=自由に生きよう」という想いを持って、2006年に当社を設立することになった。

当社は「世のため・人のため」という利他的精神を持っており、私は儲けを追求してはいけないと思っている。「世のため・人のためになることを行っていれば、自然と自分にも返ってくる」という事を体験したからだ。その一例として、4000万円の借金は3年間の間に返済し終えることができた。

Q.どのような事業を行っているのか?

ITのシステム開発、サーバーネットワークの構築・運営、ゲームの開発、Web制作・運用などを手掛けている。サービス形態としては、SES(システム・エンジニアリング・サービス)をメインとしてきたが、現在は、受託開発にも注力している。また、これまでのゲーム開発の経験を通して、ゲームアプリの開発ノウハウが蓄積されており、それを生かしたゲーム事業を今後の成長事業にしていきたい。

Q.強みは?

第一に、社員の会社に対する忠誠心や仕事へのやる気が高いこと。それにより、長年のシステム開発経験を通して、技術力も高まり、今では難易度の高いシステム開発にも対応できるようなっている。実際に、大学からのシステム開発案件も依頼されるほど、愛知県ではシステム開発会社として信頼されるポジションを確立することができた。

第二に、社員への教育が手厚いこと。入社時は、プログラミングの知識がない社員ばかり入ってくるが、先輩がゼロから教え込み、一人前のプログラマーに育てていく。実際、当社でエンジニア経験を積んだ社員が、大手企業からヘッドハンティングされるなど、当社で成長してキャリアアップをしていくケースも少なくない。これまでに、約150名の社員をプログラミングの知識がゼロの状態から、一人前のプログラマーに育て上げることができた。

第三に、社員のモラルが高いこと。当社では、月に1回開催する定例会を通して、人間としての教育を徹底しており、人として筋を通すことを大切にしている。当社は、ヤンキーや引きこもりなどの若者を集めて設立された会社であるため、これからも社会に馴染めない人々を集めて、日本一のIT企業にしていきたいと考えている。これが、当社流の社会貢献だ。

Q.どのような理念・想いで事業をやっているのか?

創業時から、社会に馴染めない人材の活躍を支援することに力を注いできた。2017年からは、新たに障害を持つ方々に対しても支援の輪を広げている。実際に、長野県安曇野市の障害者就労施設と連携しながら、社内から講師を派遣し、プログラミング講座の提供や一部IT業務の発注を行っている。当社が受注した案件を障害者就労施設と一緒に取り組むことによって、資金不足に悩む障害者支援団体のサポートをしていくことが狙いだ。また、お客様に対しても、当社に仕事を依頼することは、間接的に障害者の支援に貢献していることにも繋がるということを伝えていきたい。まだ小さな社会貢献だが、将来的には当社と同じような取り組みを続ける企業を日本全国に増やし、日本を変えていきたいと考えている。

Q.今後のビジョンは?

日本を変えるために、資金力、知名度、発言力を高めたい。そのために、まずは年商100億円企業になることを目指している。現在は年商5億円程度だが、100億円を実現するために、BtoC向けのゲーム事業を拡大したい。現在、下請けで稼いだ資金をゲーム事業に投資している。まずは、日本でゲームをリリースし続け、日本でヒットした作品を海外市場に展開していきたい。

Q.今後の課題は?

最大の課題は、経営幹部の育成だ。当社の弱みは、経営できる人材が私しかいないことであり、また、経営システムの構築が急務となっている。具体的には、評価制度、表彰制度、キャリアアップ制度などが十分に整備されていないため、私の右腕として、そのような仕組みを構築し、マネジメントできる人材を育成する必要がある。

Q.求める人物像は?

共通の目的を持った人同士が集まり、互いの長所を活かした組織を作りたい。私が掲げる「日本を変えたい!」という志に共感する人に入社して頂きたい。そして、お金を稼ぐためではなく、夢を実現するための手段として仕事をして頂きたい。入社早々から、「日本を変えるためにどうすればいいか?」という大きな課題の解決を考えなければならないような環境であるため、若いうちから成長できる。「成長したい!」、「夢を叶えたい!」という想いを持つ方には最高の会社だと思う。

会社概要

会社名株式会社フリースタイル
事業内容・ITソリューション事業(システム開発 / インフラ / サーバネットワーク / ヘルプデスク / 評価業務 / その他業務における、客先常駐型開発支援(SES))
・ゲーム開発事業(ゲーム、アプリ企画・開発:iPhone・Android、家庭用ゲーム機、オンラインゲーム など)
・イノベーション事業(スマートフォンアプリ・アプリケーション・業務系システム・WEBサイト制作・受託開発・自社製品開発)
代表者名青野 豪淑
代表プロフィール1977年、大阪府生まれ。府立砂川高校を卒業後、食肉店に勤めるが牛海綿状脳症(BSE)のあおりで転職し、住宅や宝石販売、中小企業コンサルタント、飲食店など約10種類の仕事を経験。投資話にだまされ、4000万円の借金を背負い、社会になじめない子を持つ親の相談をボランティアで始めた。どこにも就職できない若者を救うために2006年にIT企業「株式会社フリースタイル」を設立。代表取締役に就任。
沿革2006年 株式会社フリースタイル設立(資本金3万・従業員数4人・名古屋)
2014年 ゲームアプリ「マホウノトビラ」発売開始
2016年 超高層大気長期変動の全球地上ネットワーク観測・研究に関するデータベース検索システム開発
2016年 事前予約数65万突破、ゲームアプリ「アロットオブストーリーズ」発売開始
2017年 障害者就労施設「こころの樹」と連携し就労支援活動開始
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