理想のライフスタイルを提案、東北No.1リフォーム会社

株式会社オノヤ 代表取締役社長 小野 浩喜 様

Q.社長就任までの経緯は?

私は長男で、母親からオノヤを継いで欲しいと言われていたため、当社を継承する目的で、一般社員として入社した。入社後、オノヤを発展させていくためには、下請けとしての建材業から脱却し、元請けになれる事業を展開する必要があると考えた。そこで、一般のお客様向けのリフォーム事業を立ち上げたいと提案した。その後、リフォーム部門の代表として専務取締役に就任し、震災10日前の平成23年3月1日に4代目の代表取締役に就任した。

Q.事業内容は?

平成10年にリフォーム事業を立ち上げるまで、当社は、工務店向けに建材や住宅設備の販売を主力事業としていた。現在は、住宅リフォームを行う「オノヤリフォーム倶楽部」を主力事業とし、加えて、リフォーム時にインテリア家具の提案・販売を行う「MONO-ya・MONO+」、土地建物の売買・仲介・買取を行う「オノヤ不動産」を展開している。

Q.リフォーム事業に参入するまでの経緯は?

須賀川に工務店向けのショールームを構えたところ、工務店だけでなく一般のお客様も足を運んでくれるようになった。それがきっかけとなり、一般のお客様から小規模なリフォームについて相談されるようになったのだが、当時は、リフォームの経験も実績もなかった。そこで、一般のお客様から相談されたリフォーム案件を工務店に紹介していたのだが、工務店は既存の仕事で忙しく、新規のリフォーム案件に手が回らなかった。そのような経緯があり、当社が自らリフォーム事業を手がけることを決断した。

当時、リフォーム専業会社が地域に存在しておらず、一般のお客様はリフォームに関する知識を十分に持ち合わせていなかった。そこで、リフォームのサービスメニューと価格帯を明確にした「メニュー型チラシ」を配布したところ、大変大きな反響があり、「これは事業としてやっていける」という自信を持つことができた。

Q.リフォーム事業で成功できた理由は?

リフォーム事業を細かくセグメント化し、徐々に規模の大きなリフォーム案件へとシフトアップしていったことだ。立ち上げ当初は、小さな修理を行う「リペア事業」からスタートし、それから、風呂釜や外壁の塗り替えなど、古くなったパートを交換する「リフレッシュ事業」、さらに、間取りの変更を伴うような大型の改築を行う「リモデル事業」へと、リフォームのサービス内容をシフトアップしていった。

また、「リモデル事業」については、単なるパートの交換に留まらず、デザイン性を工夫する余地が生まれてくる。そのため、お客様のご要望をお聞きし、家具やインテリアなども含めて理想のライフスタイルを提案することができるようになった。このように、生活のシーンを創り出すことができるようになったことで、お客様の持つリフォームの概念を変えることができた。このことは、オノヤにとっても大きなターニングポイントとなった。

Q.リフォーム事業を手掛ける意義は?

平成15年当時、リフォーム業界への新規参入が相次ぎ、悪徳リフォーム業者の問題が取りざたされていた。一方では、リフォームのテレビ番組「劇的ビフォーアフター」が始まり、住宅をリフォームして感動する人々がたくさんいることを知った。リフォーム事業は、お客様の生活に寄り添い、親身になって理想のライフスタイルを実現することができ、その結果、多くの人々を感動させることができる大変やりがいのある事業だと感じるようになった。そのような想いがあり、平成16年に、4つのテーマで生活空間を提案するショールームを開設することになった。

Q.組織面・人材面の強みは?

一つは、新卒採用を始めたことだ。今年で12回目となるが、中途人材よりも新卒人材の方が、会社の考え方を素直に受け止めてくれる傾向があると感じている。「リフォームは、理想のライフスタイルを提案することが価値である」ということに、企業説明会の段階から共感してくれる学生に多く出会うことができている。また、理想のライフスタイルを提案するためには、営業、プランニング、現場管理までの役割を一貫して担う「担当一貫制」を担える人材が必要になる。そのため、選考基準としては、「お客様のためにお役に立ちたい」、「世のため人のために尽くしたい」というマインドを持っているかどうかを重視しているが、新卒採用において、こうしたマインドを持つ学生に出会うことができている。

二つ目は、チーム制をとって人材育成を進めていることだ。現在、26名のリーダーの下に1〜3名の部下をつけ、営業、デザイン、現場について、徹底的に教え、叩き込んでいる。当社では、チームを小さな会社組織と捉えており、チームごとにどれだけの成果が上がったかを評価している。

三つ目は、担当一貫制を敷いていることだ。これは、営業、プランニング、現場管理までの役割を一人が一貫して担う仕組みであり、お客様から見ると相談窓口が統一されるためとても便利なシステムだ。その一方で、現場スタッフの負担はかなり大きいものになる。そのような負担を軽減するために、現場を後方支援できる本部スタッフの充実化を進めている。例えば、お客様にご提案するインテリアプランを本部スタッフが裏方として作成するなどの後方支援を行っている。それ以外にも、営業サポート、工務サポートなど、後方支援の拡充を進めているところだ。

Q.強みと言える企業文化は?

「オノヤフィロソフィー」を社員に浸透させている。社長自ら「オノヤフィロソフィー」を社員に対して読み解く勉強会を毎月1回開催している。要点としては、「誰にも負けない努力を尽くす」、「世のため人のために尽くす(善行・共生)」という二つの軸を持っている。リーダーは部下への教育方法として、「オノヤフィロソフィー」に基づいて指導するケースが多く、それによって会社全体に、当社の理念や行動規範が浸透しつつあると感じる。このように、「オノヤフィロソフィー」という社員共有のモノサシを使ってコミュニケーションを取れることも当社の強みだ。

Q.今後のビジョンは?

「2021年に年商100億円」を目指すことを社員全員に伝えている。その実現に向け来年4月、東京に進出し、マンションリノベーション事業の拡大を目指す。その足がかりとして、マンションリノベーションを低額で提供する「365リノベ」というブランドを立ち上げた。現在は、仙台・郡山で展開しているが、当社が年商100億円を目指すに当たっては、仙台の20倍の市場規模がある東京エリアでの事業展開がカギになると考えている。

Q.東京進出における課題は?

一番の課題は集客である。特に、WEBでの集客が重要になると考えており、WEB広告やSEO強化についての取り組みを試験的に仙台で始めている。その他、大手不動産会社との提携も視野に入れている。

また、既存顧客へのフォローは重視していく。その一環として、「OB感謝祭」を開催する、定期的にお客様にお手紙やお電話を差し上げる、といった取り組みを行っていく。これは、新規顧客の開拓コストが年々上昇する中で、いかに既存のお客様と継続的な関係を築くかが重要になると考えているからである。「365リノベ」については、マンションオーナー同士のコミュニティ「オーナー会」を組織したいと考えている。

Q.「365リノベ」の顧客ターゲットは?

「365リノベ」のメインターゲットは、「35歳のDINKS、もしくは一人暮らし」と定めており、その属性のお客様には、理想のライフスタイル提案が受け入れられることが分かっている。

Q.今後の課題は?

一つは、生産性を高めるために、商品の標準化を進めたい。理想のライフスタイルはお客様ごとに異なるが、大枠のデザインや現場管理を標準化することで、生産性向上を目指して行く。リフォームのデザインを数パターンお客様に提示し、その中から大枠を決め、細部を作り込んでいくような進め方にすることで、無駄な工数が排除されコストダウンにつながる。デザインの標準化、現場管理の標準化を推し進め、お客様とWIN-WINな関係を築いていきたい。

二つ目は、優秀な中途社員を採用できるよう社内の仕組みを構築することだ。そのために、キャリアプランを明確にし、社員の成長を促す評価制度を構築していきたい。

会社概要

会社名株式会社オノヤ
事業内容・【住宅リフォーム】営業、プランニング、見積り、現場管理
・【不動産】中古住宅の仲介・中古住宅のリフォーム企画、土地・新築住宅紹介
・【インテリア生活雑貨】家具雑貨の店頭販売、リフォーム時の家具提案販売
・【資材販売】建築資材・住設機器の販売
代表者名小野 浩喜
代表プロフィール昭和39年6月、福島県須賀川市出身。慶応大学商学部卒業後、平成6年オノヤ入社。平成10年よりリフォーム事業を立ち上げ、平成23年にオノヤ・代表取締役就任。
沿革1935年 オノヤ商会創業 馬車タイヤ自動車部品販売を始める
1950年 株式会社オノヤ商会を設立。
1998年 新たに、リフォーム事業部を立ち上げる
2002年 リフォーム事業部 郡山営業所開設
2011年 株式会社オノヤよりリフォーム事業部を独立
2011年 株式会社オノヤを株式会社オノヤ商会(卸販売)へ社名変更
2011年 株式会社オノヤ(リフォーム事業部)を設立
2014年 東京・千駄ヶ谷にマンションリノベーション専門拠点を開設
本社所在地〒962-0044
福島県須賀川市下池23-3
URLhttp://onoya.jp/