東日本大震災からの復興を!仙台の牡蠣ビジネス・ベンチャー
株式会社アイリンク 代表取締役 齋藤 浩昭 様
Q.どのような理念・想いで、事業をやっているのか?
ITベンチャーとして、様々な失敗をしてきたが、2007年から牡蠣(かき)の事業に特化した。ITベンチャーとして手掛けた事業の中で残ったのが、牡蠣のオンラインショップだった。どうせやるなら、牡蠣のオンラインショップで日本一を目指そうと思い、牡蠣の事業に特化した。
また、東日本大震災をきっかけに、「震災前よりも良くなることが本当の復興なのではないか?牡蠣を通して復興に貢献できないか?」ということを考えはじめた。そこで、復興支援プロジェクトを立ち上げ、三陸の牡蠣生産者に資材を寄付させて頂いた。
2012年には、石巻で牡蠣小屋をオープンした。仮設の店舗で始めたが、雪が降るようなところに遠方からたくさんのお客様が来てくれた。お客様の半数以上は、「すごく美味しかった」と言って喜んでくれた。それまではオンラインショップで販売していたので、お客様の生の声を聞いたことがなかったが、牡蠣小屋をオープンして、お客様のリアルな感想を聞けるようになった。それがきっかけとなり、「牡蠣はお客様を感動させることができる食材であり、事業として大きな可能性があるのではないか」と感じるようになった。
Q.牡蠣事業を始めて、どの時点で手応えを感じたか?
2007年に牡蠣に特化した事業を立ち上げ、日本全国から厳選された牡蠣を取り扱うブランドになれた。当初は3ヶ所の牡蠣しか取り扱っていなかったが、全国の牡蠣を扱うために、全国を走り回り40ヶ所の牡蠣を扱えるようになった。
また、「三陸の牡蠣復興」を目的としたクラウドファンディングで資金が集まったこと、石巻で牡蠣小屋を始めたときに、メディアにも取り上げられ、全国から遠路はるばるお客様にお越しいただけたこと、当社のような知名度もない企業を多くの方が応援して頂けたことで、手応えを感じることができた。
Q.どのような事業を展開しているのか?
「牡蠣のネット通販」、「飲食店への卸販売」、「牡蠣小屋」、「生産者への養殖資材の販売」、「牡蠣のキッチンカー」、「オイスターバー・かき蔵」を事業展開している。全国40ヶ所の牡蠣の生産者とのネットワークを持っていること、また、1万人以上の牡蠣ファンのデータベースを持っていることが、当社の強みだと考えている。牡蠣は季節性のある食材なので、様々な地域の生産者をネットワークしていないと、安定的な供給ができない。
Q.今後のビジョンは?
2020年までに、仙台を「牡蠣と牛タンの町」にしたい、三陸の牡蠣を全国に広げていきたいと考えている。宮城県の沿岸部は人口が減少しているが、仙台を牡蠣の産地として多くの人に認知して頂き、活気を取り戻したい。仙台から全国、海外へと、牡蠣事業を展開していきたい。そのために、生産と販売を事業の両輪と位置付けている。
生産面では、牡蠣の生産者に資材を提供するなどの生産支援を続けていくことで、牡蠣を安定的に供給して頂ける体制を作りたい。また、国内だけでなく、ベトナムのダナン、フィリピンのセブにおいても生産支援を行っていく。世界中で牡蠣が生産できる体制を作りたい。牡蠣の養殖にはエサを必要としないので、海があれば大抵の地域で養殖できる。牡蠣の養殖で地域の支援に貢献していきたい。
また、販売面では、多くのお客様に美味しい牡蠣を味わって頂くための店舗開発を進めていく。第一弾として、28品の牡蠣料理を楽しめる「オイスターバー・かき蔵」を仙台市内にオープンした。牡蠣料理に合う日本酒やワインも用意している。この業態を多店舗展開していきたい。
Q.今後の課題は?
多店舗展開、事業拡大を進めていく上で、経営者マインドを持ち私の片腕になるような人材が必要だ。私に代わって、各部門の部門長をマネジメントすることができるような人材に、COOとして役割を果たしてもらいたい。また、スピード感をもって事業を拡大していくために、財務基盤の強化、資金調達も課題になる。
Q.どのような人材を採用したいか?
まずは、「生産と販売を両輪にして、牡蠣を通して世界を幸せにしたい!」という想いに共感してくれる人を採用したい。経営幹部に求める要件は、マネジメント能力に強みを持っていること。具体的には、私と部門長の間に立ち、私の代わりにマネジメント能力を発揮して欲しい。牡蠣のことを知らなくても、飲食がわからなくてもマネジメントが得意であれば構わない。財務が得意であれば、更に望ましい。将来はCEOを目指して欲しい。
会社概要
会社名 | 株式会社アイリンク |
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事業内容 | ・牡蠣販売 ・牡蠣飲食店 ・牡蠣養殖資材販売 |
代表者名 | 齋藤 浩昭 |
代表プロフィール | 1964年生まれ。2000年、ITベンチャーとしてアイリンク創業。牡蠣通販サイト「海鮮直送 旨い!牡蠣屋」を開始。2007年、IT事業からITをベースとした牡蠣事業にシフト |
沿革 | 2000年 ITベンチャーとしてアイリンク創業 2000年 牡蠣通販サイト「海鮮直送 旨い!牡蠣屋」を開始 2007年 IT事業からITをベースとした牡蠣事業にシフト 2011年 三陸の牡蠣養殖の復旧復興を支援する三陸牡蠣復興支援プロジェクトを開始 2012年 石巻と仙台で初めての牡蠣小屋を出店 2016年 三陸でシングルシード養殖を定着させるために三陸プレミアム牡蠣オーナー制度開始 2016年 フライドオイスターを提供するキッチンカー事業「Oyster Mania」を開始 2017年 カジュアルオイスターバー事業「Oyster &Fish Dining かき蔵」を開始 |
本社所在地 | 〒984-0015 宮城県仙台市若林区卸町2ー2ー1 |
URL | http://ilink.jp/ |