Q.起業の経緯・理由は？

以前、トレーダーとして、海外市場と株や為替などの取引を行っていた。その時に、経済発展が遅れている後進国には、大きなビジネスチャンスがあることに気づいた。ただ、トレーダーとして株や為替の売買を行うのではなく、海外の人々とビジネスをしたいと思うようになり、2009年から自動車やバイクの海外輸出を始めた。

Q.現在の事業内容は？

一つは、「カーネクスト」という業界最大級のインターネット廃車サービスで、年間約4万台の車を取り扱っている。廃車を求めるお客様がネット検索をするなどして、カーネクストのサイトから廃車の申込みをすることができる。今までは廃車費用がかかるのが当たり前だったが、当社では全国数千社にわたる自動車関連事業者と協力することでお客様の廃車を無料引取または買取をしている。また、カスタマーサポートのコールセンターは内製化をし、365日体制でお客様のサポートを実現している。

もう一つは「Smartオークション」というリユース車（廃車）のインターネットオークションで、全国数千社の自動車関連事業者が加盟している。年間の出品台数は約25,000台で、ユーザー買取車両の売買マーケットとしては業界最大級を誇る。今までに無かった業者間でリユース車を売買するオークション（プラットフォーム）としても機能している。「カーネクスト」を通じて買取した廃車も出品している。

Q.その事業は、どのような価値があるのか？

廃車の中には、全く値段がつかない「0車」と呼ばれる車も存在している。しかし、後進国では「0車」であっても価値があり、後進国に廃車を輸出する専門企業もいる。そこで、「カーネクスト」では、そのような専門企業と提携し、買取した廃車を後進国に向けて輸出している。

一方、「Smartオークション」では、自動車の買取業者が廃車を簡単に探せるようになり、仕入れを安定させることができる。オークション会場よりも「Smartオークション」に出品することのメリットは2つあり、一つはオークション会場に出品するよりも手数料が安く済むこと。もう一つは「Smartオークション」の場合、自社に廃車を置いたまま出品できるため運搬コストがかからないことが挙げられる。ただし、「Smartオークション」ではプロの査定をつけることができないため、比較的価値のある100〜200万円以上の車は落札されにくく、そのような車はオークション会場で取り引きされることが多い。

Q.競合の状況は？

車の買取業者などが廃車の買取を手がけているケースがあり、ある意味「カーネクスト」の競合とも考えられる。ただし、廃車買取のウェブサービスとしては「カーネクスト」が国内No.1だ。一方、「Smartオークション」については、私たちが認識している競合はいない。

Q.事業面での強みは？

最大の強みは、沢山の集客を可能にしたWEBマーケティング力だ。これについては、長年の経験からかなりのノウハウが溜まっている。もう一つは、高い売上を確保するための自動車関連業者とのネットワークだ。自動車の販売・輸出・解体などを行う自動車関連業者は日本国内に12～14万社存在していると言われ、そのうち1万社が「Smartオークション」に加盟している。

Q.マネジメント面での強みは？

一つは、オペレーション部門では、業務に必要なスキルを身につけていただくために、勉強会やテストを繰り返し実施している。これにより、集客や販売に関するスキルを高めている。もう一つは、情報システムを統合し、情報が横串で通っていることだ。集客や営業に関する指標データが共有されており、実行した施策がどれほど売上や粗利に貢献したのか一目瞭然で分かるようになっている。

Q.今後のビジョンは？

10年後には業界でトップクラスを実現し、誰もが知っているような会社になっていたい。業界でのシェアを伸ばすために、既存事業と新規事業を確立していく。新規事業については、M&Aや社内ベンチャーによる立ち上げを検討しているが、いずれも志を高くするメンバーと共に事業を拡大していきたい。IPOには特にこだわっていないが、当社が突き抜けるべきタイミングが来たら考えるかも知れない。

Q.今後の課題は？

一つは、知名度の向上であり、ブランディングがまだまだ弱いと感じている。もう一つは、人材の採用と育成だ。会社が成長して社員数が増えた分、まだ仕事に慣れていない人が増えている。それを解決するために、業務の仕組み化、標準化を進めるべきか、トップダウンで進めるべきか悩ましいところだ。ただし、何かを相談する時には、「どうしたら良いですか？」ではなく、「自分はこう考えているんですが、どうですか？」という提案型の相談をするように徹底している。

Q.採用の方針は？当社で働く魅力は？

当社では、マインド重視で、生きる力のある方、他者に感銘を受ける方、協調性や共感力のある人を採用している。そのような方は一様にして、会社を大きくしたい、海外で苦しんでいる方を助けたいという意識が働き、チャレンジ精神を持っている。特に、将来マネージャーとなり得るような方を採用していきたい。

当社で働く魅力としては、自社サービスを運営しているため、自ら考えたサービスを世の中に広めることができることは醍醐味だろう。加えて、新規事業の立ち上げにも積極的なので、自ら新しい商品・サービスの開発に携わることができることも魅力だろう。