現場力とM&Aを強みに成長、東証1部の3PL物流企業
株式会社ハマキョウレックス 代表取締役社長 大須賀 秀徳 様
Q.2010年、社長就任時の想いは?
社長就任前に、買収した近鉄物流(現・近物レックス)の事業立て直しのため出向したが、出向1年後に、前社長から「本社に戻って管理部門を経験し、それから社長に就任しなさい」と言われ、社長を引き継ぐことになった。
社長就任については、やはりプレッシャーがあった。私の入社当時は、年商17億円規模の会社だったが、それから20年経ち、会社規模は当時の50倍になっていた。また、私は社内で最も多くの失敗を経験してきており、社長という大役を任せられ不安があった。しかし、現会長から「もしダメだったら別の者に変わればいい」という一言を頂いたことで、少し肩の荷が降りた。
Q.事業面の強みは?
一つは、「収支経営・日々決算」。これは、創業間もない頃から継続している制度であり、毎日数字を意識しながら、取り組むべきことを変えていく。二つ目は、「全員参加」。社員全員で生産性や積載率などの重要指標を共有し、一つ一つの課題を解決していく。それにより一人で問題を抱え込まず、問題解決のスピードを速めている。一部の数字はパートタイムの従業員にも共有している。三つ目は、「コミュニケーション」。当社では、全員の意見を聞きながら最適解を導くことにより、従業員のモチベーションを高めている。以上の3つがハマキョウレックスの現場力を支えており、当社の優位性になっている。
Q.ハマキョウレックスが選ばれる理由は?
物流会社は各社特徴が異なるが、業界内からは「ハマキョウレックスといえば現場力」というお声を頂くことが多い。当社では、お客様にも数字を開示し、お客様と二人三脚で物流の仕組みを最適化する提案を行っており、それがお客様から高く評価して頂けている要因と考えている。
Q.「日替わり班長制度」とは?
「日替わり班長制度」は、パートスタッフの生産性を標準化するために実施している制度である。多くのパートスタッフが班長の経験をすることにより、責任感や連帯意識が育まれ、チームワークのある社風になっていく。
Q.今後、どのようなことに注力していくか?
一つ目は、新規顧客の開拓。今まで手がけたことがないような物流に手を伸ばしていきたい。例えば、今後、一層の市場拡大が見込まれるEコマース領域を開拓したい。二つ目は、M&A。但し、当社から積極的に案件の開拓を行っている訳ではなく、ご相談があれば都度検討していくというスタンスである。三つ目は、将来ビジョンの策定。例えば、AIを含めた研究開発を進めていく。現時点で、成長性が高いと考えている分野は、RFIDのタグ普及による物流の効率化やトラックの自動運転である。これらは、ITベンチャー企業などとの情報交換を通じて研究開発を進めている。
Q.今後の課題は?
毎年企業規模が拡大しているため、コンプライアンスを含めた管理・監督の強化を図る必要がある。管理体制については、支社ごとの管理体制を強化している。また、物流業界全体でドライバー不足が懸念される。但し、これは、当社単独で解決できるものではなく、全国の物流会社が足並み揃えて対応していく必要がある。
Q.人材育成の取り組みは?
基本的に、教育は各現場で行っている。また、毎月「大須賀塾」という会長が自ら塾頭を務める勉強会を開催し、現場で抱えている問題点の解決に当たっている。全ての現場スタッフが年間1回は、「大須賀塾」に参加している。
Q.採用の方針は?
当社は、20年間で50倍の規模に拡大したため、新卒社員よりも中途社員の方が多い会社である。中途社員については、固定概念に惑わされることなく柔軟な発想ができる人材を求めており、なるべく異業種から採用したい。
当社で求める人材は、「向上心のある人」。業界経験や学歴は不問で、やればやっただけ正当な評価を受けられることが、当社で働く魅力だ。また、失敗しても責任を取らされることがなく、モチベーションの高い人には挑戦の機会が溢れる会社だと思う。ただ、現場作業が多く、身体的にはハードワークでもある。
選考に来られる方を見ていると、昔と比べて、向上心が低く、夢が小さい方が多い印象を受ける。以前は、「社長を目指したい」と言って入社してくるような人材が多かったが、今では「センター長を目指したい」という程度の方が多い。ぜひ、大きな夢を持った方に挑戦して頂きたい。
会社概要
会社名 | 株式会社ハマキョウレックス |
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事業内容 | ・物流センター事業 ・一般貨物自動車運送事業 |
代表者名 | 大須賀 秀徳 |
代表プロフィール | 昭和42年生まれ。平成3年、東京経済大学経営学部卒業。IT関連企業を経て、平成4年、当社入社。平成19年、近物レックス㈱の取締役副社長に就任。平成20年、当社取締役副社長管理本部長兼経営企画室長に就任。平成21年、㈱スーパーレックス取締役に就任。平成22年、当社代表取締役社長に就任。 |
沿革 | 昭和46年 浜松協同運送株式会社を静岡県浜松市東三方町にて開業 平成4年 株式会社ハマキョウレックスに商号変更 平成5年 伊藤忠商事株式会社と合弁により株式会社スーパーレックスを設立 平成9年 日本証券業協会に株式を店頭登録 平成13年 東京証券取引所市場第二部へ当社株式を上場 平成15年 東京証券取引所市場第一部銘柄に指定 平成16年 近鉄物流株式会社(現・近物レックス株式会社)を連結子会社とする 平成22年 株式会社JALロジスティクス(現・株式会社ロジ・レックス)を連結子会社とする 平成28年 シュタープ株式会社を連結子会社とする。 |
本社所在地 | 〒430-0841 静岡県浜松市南区寺脇町1701番地の1 |
URL | http://www.hamakyorex.co.jp/ |