月間1,500万PVを誇る浜松の超地域密着メディア企業

株式会社はまぞう 代表取締役 佐野 憲 様

Q.会社設立までの経緯は?

当社は、親会社であるシーポイント社の社内ベンチャーとして立ち上がった。2005年のサービス立ち上げ当時は、「地域に根付いた情報プラットフォーム」というコンセプトを地元商店街や企業に理解されずにいたが、立ち上げ5年後辺りから徐々に「地元で商売するならはまぞう!」という信頼を頂けるようになった。その頃、ようやく「はまぞう事業部」として専業するに至り、私が事業責任者として携わることになった。2013年にはまぞう事業部をシーポイント社から分社化し、当社を設立した。

Q.事業展開の状況は?

受託開発を行うIT企業はたくさん存在するが、当社は受託開発が事業の柱でなく、「IT・Webの力を使い、社会を変えていく」ためのウェブサービスの開発を行っている。ウェブサービスを自社開発する会社は浜松にはほとんどない。また、他社とサービスを共同開発し、売上を折半する、協業モデルも手がけている。

現在サービス展開している「はまぞう」は、2005年にブログを開設したことがきっかけとなって生まれたサービスだ。地域密着型のブログ・プラットフォームとして、12年目を迎え、現在では3万2,000名の市民ブロガーが登録し、月間1,500万PVを誇るサービスまで成長した。これは、地域密着型メディアとして国内2位の数値である。ちなみに第1位は、同社グループ会社が沖縄で展開している「てぃーだニュース」(沖縄の地域情報メディア)である。当社は、はまぞうのシステムをASPとして他社に提供し、全国で50メディアが立ち上がっている。

Q.海外事業については?

シーポイントグループとしては、2008年から海外進出を始めている。2008年にタイ・バンコク、2011年にベトナム・ホーチミン、2015年にインドネシア・ジャカルタ、2016年にスリランカへ進出している。大きな目的は、米国製プラットフォーム・サービスへの挑戦だ。

はまぞうとしては、「当社が日本で培った、地元民から評価・信頼される地元密着型メディアの経験やノウハウをアジアの人々と共有したい」という想いから、タイ、ベトナム、インドネシアにて、各国に根付いた地域密着型メディアを展開している。「世界のHAMAZO」としてポジションを確立していきたい。

また、浜松市に対して、外国人を誘致するインバウンドの提案を行っている。具体的には、「留学先としての浜松」、二つ目は「就職先としての浜松」、三つ目は「定住先としての浜松」という3つのインバウンド施策を提案している。それによって形になったのが、浜松市のシティプロモーションを東南アジアに向けて発信する動画だ。

Q.外国人留学生の就職支援、起業支援については?

成長著しい東南アジアと比べると、日本社会、日本企業は元気がなく閉塞感を感じざるを得ない。東南アジアで仕事をしていると、日本への尊敬度、日本のプレゼンスが下がっていると感じる。このような状況で、外国人留学生と日本企業をマッチングする事業もスタートした。外国人留学生は、「日本での就職の仕方が分からない」、「企業の情報が分からない」などの悩みを抱えている。外国人留学生の就職支援事業を行っている会社は東京にはあるが、地方にはない。そこで、当社は「Recruit in Japan」を謳い、静岡大学などの県内大学に在籍する外国人留学生に対し、浜松市の地元企業の魅力を伝える活動を行っている。

また、若者の起業支援についても、あらゆる関係者を巻き込みながら進めている。今の若者を見ていて感じるのは、人の目を気にしすぎるあまり行動しなくなってしまったということだ。当社では多くの東南アジア留学生と繋がりを持っているが、彼らに対しても「30年後・50年後も社会に対して影響を持つ事業の創造」にチャレンジして頂きたいと考えている。

会社概要

会社名株式会社はまぞう
事業内容・超地域密着プラットフォーム事業(インターネット広告事業)
・インバウンド・アウトバウンド支援事業
・コンサルティング事業
代表者名佐野 憲
代表プロフィール1972年浜松生まれ。94年、日本大学法学部新聞学科卒業後、株式会社エイエイピーに入社。98年、ベンチャー・リンクグループの子会社、モベラに転籍。その後、ヤフー株式会社に転籍、インターネット広告業務に従事。2001年に株式会社シーポイントに転籍。09年より「はまぞう事業部」部長も兼任。15年、株式会社はまぞう・代表取締役に就任。
沿革2005年 「はまぞう」サービス開始
2013年 株式会社はまぞう設立
本社所在地〒432-8002
静岡県浜松市中区富塚町1933-1 佐鳴湖パークタウンサウス2F
URLhttp://hamazo.co.jp/